DeFiを経済学部の教授の方に話してみた。

DeFiを経済学部の教授の方に話してみた。

なまはげです。今日はいつにも増して短い記事です。

先日、今構想中のDeFiについて、ブロックチェーンをほとんど知らないとおっしゃっていた東大の経済学部の教授のところに相談してきた内容を備忘録的に共有します。

なぜ行ったのか

今僕は受講中の東京大学ブロックチェーンイノベーション寄附講座という講座内で僕がMakerDAOのようなステーブルコイン発行システムを開発しています。そこで大体の設計ができてきたのですが、何か見落としやもっといいシステムの考え方はないのか、という部分でなかなか開発に踏み切れずにいました。

そうした中で金融やマクロ経済に詳しい方に相談したいと思い、思い切って教授に連絡したところ快諾してくださいました。(一応教授の名前は伏せておきます)

約一時間あまりの中で色々なことを話したのですが(僕は経済の素養をもっとつけたほうがいいと怒られました笑)、今回はその中でもDeFiやクリプト界隈全体に言えるような話をピックアップしてかるーくまとめます。(特に章立てとかしないでつらつら書き連ねていきます。)

外の経済を考えなさい

箇条書きで書いていきます。(自分のメモと記憶にそって書いているので意図を勘違いしている点などあるかと思います)

Daiについて

  • 特に仮想通貨のリスクは変動するのだから、ある程度リスクの値段(ステーブルコイン発行料)はリスクに従って変動すべきではないのか。そもそもこの仕組みはリスクヘッジなのか?ユーザーはショートポジションなどで(この辺はメモできなかった)同じようなポートフォリオを作ったほうがいいのではないか。
  • 一方で当たり前の話だが、リスクを取ってくれた人に対しては期待リターンは上乗せしなければならない。そうじゃないと誰もその選択肢を選ばない。

DeFiにおけるリスクリターンについて

  • リスクが増大した時にリスクを取ってうまく行った人に大きなリターンを与えてあげる必要がある。
  • そもそもステーブルコインが欲しいのならどうしてそこまでリスキーな資産を作ってしまったのか。
  • リスキーな仮想通貨からステーブルコインを発行するという考え方はそのリスクを他の人に全て押し付けて、ステーブルコインの所有者はリスクから全て解放されるという仕組みではなか?
  • その観点から行けばシニョリッジシェアもシェアを持っている人がリスクを全て取っていく形態に見える

仮想通貨とはどうあるべきか

  • こうした新しい技術自体は「一般のプレイヤーが抱える(投資家ではない人々の)社会全体のリスク」を減らす方向に向かえないのか
  • 仮想通貨がリスキーでない、というのは仮想通貨の中だけの話。外の経済からお金が出たり入ったりしている中でそれに対応できない仕組みになっているのは少しまずいのではないか。若干、「経済は自分たちが作る」という思い込みのようなものがある。
  • (先月は米国株価とBitcoin価格に負の相関が強かったという話に対して)これも外のお金の出入りに対応していないからではないか
  • 世の中の資産のほとんどが同じような質(?)の仮想通貨、となればこうした外から出入りするお金によるリスクが無くなるのだろうがそうなるまでリスキーな資産であり続ける。

 

という感じでした。先生ご自身はブロックチェーンやクリプトに対して否定的ではなく、むしろ可能性があると好意的でした。(上の文章は先生が批判的だった部分を特に抜粋しています。)

ただ、仮想通貨が外の経済との関連性を考えていない設計(先生もハッカー思想には理解を示していて、こうした設計なのは市場経済へのアンチテーゼだろう、と語っていました)なのは社会的にはマイナスが大きいのではないかとおっしゃっていました。

感想とか考えたこととか

まず、教授、パネぇ…

本当に詳しくないという感じでしたがご指摘がバンバンクリティカルに当たる…そしてたくさんの気づきがある…

すごい……

このような方に一番話を聞いていただきたかったので本当にお話を伺いに行ってよかったです。

個人的に考えたのはPoSベースで、価格オラクルを取りながらステーブルコインまたはシェアをブロックごとに発行し続け、シニョリッジシェアのような形で価格安定性を保持し続けるチェーンとか作れないのかなあと思いました。

そういうチェーンがあってコインやシェアの所有者みんながバリデータになれば、幸せな経済圏ができるようなできないような…