DaiのDev版、Saiを完全理解してみる 番外編 〜なぜ Stability Feeをあげるのか〜

DaiのDev版、Saiを完全理解してみる 番外編 〜なぜ Stability Feeをあげるのか〜

更新が遅れていましたすいませんなまはげです。
ゼルダの伝説 Breath Of The Wildが楽しすぎて不安です。
自由度半端ないです本当に。
任天堂様ありがとうございます。ちなみにゲーム下手なので死にまくってます。ごめんねリンク君。

さて、今回はDaiの番外編ということで最近巷のJKの間で話題沸騰のDaiのSatbility Feeをどうして値上げしているのかについて説明します。

最近、Stability Feeを3.5%に値上げすることが投票の末、承認されました。ただ、それでは足りないという話になり、今度は7.5%に値上げすることとなりました。値上げの理由としてはDaiの価格が1ドルを下回っているからです。今回はどうして1ドルを下回ることが値上げにつながるのか、それを技術的に理解してみようと思います。

*ホワイトペーパー+コードの情報だけで基本書いているので間違い等あれば教えてください。

Stability Feeとは?

要はDaiを発行する際の金利です。年利で表され、毎秒加算されていきます。

これはDaiで計算されていますが(コードを見る限りだとDaiで計算されている)支払いはMKR出ないとだめだそうです。そして支払われたMKRはバーンされます。(これによってMKRの供給がへり、結果的にMKRホルダーが得をするようになっています)

この辺の詳しい計算やどう加算されているかなどの仕組みは僕の前回の記事に詳しいので読んでください。

MakerDAO Daiの価格はどう決まるか

一言で言えば、需要と供給です。

Daiに限らず、多くのクリプトのプロジェクトでは需要と供給によって貨幣の価格が決まるという経済学の説(貨幣数量説)に則った考え方がなされているような気がします。(実際には発行量がめっちゃ多く供給過多とも考えられるXRPのような通貨を割安だ!と主張する論調がスキャマーにいてそれに踊らされる人もいるなど、100% 正しいとは言えませんが、それなりに機能していると考えています)

つまり、供給(この場合はDaiを借りる行為)が多いほどやすくなり、需要(Daiが欲しい)が多いほど価格が高くなることがわかります。

なので今回の措置は金利をあげることでDaiを借りにくくして供給を減らそうとする動きであることがわかります。しかしこうなると適正なDaiの価格を保つためには常にDaiの金利を上下動しなければならなくなります。

金利が借りたタイミングで大きく上下動する借金というのは、借りる側にとってはボラティリティが大きく使い勝手が悪そうです。なので通常はコントラクト内で需給の調整を行なっています。

通常の価格調整機構 〜Vox.sol〜

Daiにはターゲットプライス(この価格を目指すという価格)という概念があります。こうきくと、ターゲットプライスはいつでも1Dai = 1ドルだろうと考えると思います。確かに最終的なターゲットプライス(これをフィックスプライスと呼ぶとします)は1Dai = 1ドルです。

しかし、Vox.solというコントラクトは常にこのターゲットプライスを上下動させます。具体的にはDaiが1ドルより安い時にはさらに引き上げ、高い時にはさらに引き下げます。なんか変ですよね。感覚からすると、1ドルよりDaiの価格が安ければ(例えば1Dai = 0.9ドル)それに合わせてターゲットプライスを引き下げて差額を少なくするのがいいようにも思えます。
ちょっと具体的に見ていきましょう。

もし、ターゲットプライスが1ドルなのに0.9ドルでDaiが取引されていたとすると、Vox.solは差額の0.1ドルにレート(Wayと呼ばれる)を掛け合わせるなどして計算した値を足し合わせます。例えばこの場合、ターゲットプライスが1.1ドルに増加したとしましょう。

するとDaiを借りる側は例えば11,000ドル分借りようとすると、これまで110Dai借りれたのが100Daiしか借りれなくなります。実際はここまでドラスティックに変更しないと思いますが、借りる側のコストが大きくなります。すると供給が減ります。一方でDaiを持ってることの価値が増えるわけなので需要は増えます。するとDaiの価格はめでたく回復する、というわけです。

Vox.solではこの作業を何遍も繰り返してフィードバックループによって、変動レート(Way)とターゲットプライスを変更しながら1Dai=1ドルを目指しているのです。

通常ではない手段としてのFeeの値上げ

上の仕組みは素早いフィードバックループによって短期的にDaiの価格を適正値に戻すのには適しています。

しかし、もし市場の適正値が今回のように0.95ドルで固定されてしまい、長期的に見た場合、1ドルに届かなくなってしまった場合、この仕組みでは限界がきます。

そのため、Daiを借りて発行しようとするインセンティブそのものを削ってあげる必要が出てきます。これがStability Feeの値上げです。

これは結構重大なことのようで、MKRトークンホルダー向けに投票したりして決めています。今回はとりあえず3.5%に値上げして、ちょっと様子を見たらまだ1ドルまでレートが回復していなかったからさらに値上げするか決めているようです。

まとめ

難しそうなことしてるなあ、という感想です。

ドルに一切手をつけずにドルとクリプトをペッグするという、まるでサイコキネシスのようなMr.マリ○クもびっくりの超能力をパブリックに実現しようというのですから。

現状0.95~0.99ドルの間にまとめてるのでさえ、僕にとっては感動モノなのに、Stability Fee値上げで1ドルになったら本当にすごいなあこの人ら神にでもなりたいのかなあ、というお気持ちです。

ちょっと貨幣数量説とかその辺の勉強もしてみようと思います。

あと気になったのはMKRトークンホルダーの投票のインセンティブですが、ホルダーにとってはStability Feeがあげればトークン価格上昇するから無条件で値上げには賛成しそうな気がします。過度の値上げは利用者減を招くので反対するインセンティブはありますが…
その辺どうなんでしょう?

*ちなみにトプ画はMaker’s Markです。