負債論とブロックチェーン 密接な関係

負債論とブロックチェーン 密接な関係

田原です.

遅くなりましたが,なぜ負債論がブロックチェーンに関わってくるのか,個人的な見解を述べたいと思います.

まず,そもそもブロックチェーンとはなんなのか.その社会的な定義から入りたいと思います.(技術的,ではなく)この点については後ほど詳しく記事にします.

ブロックチェーンというのは「コンピュータの力を借りてすでに定義されたコンセンサス(すり合わせ)を自動化するシステム」と定義できます.これはパブリックでもプライベートなブロックチェーンでも本質は変わりません.すでに定義されたコンセンサス,というのはジュース一本100円,といった「約束事」のことです.(この「約束事」についてはあらかじめ当事者間での合意が必要です)

これによる効果というのは主に二つあると僕は考えています.

一つ目は既存のコンセンサスの仕組みを自動化する,すなわちコストダウンなどの効率化を推進する面です.

二つ目は相手に対して信用がなくとも,最初の「約束事」さえ同意できればその後のすり合わせが自動化できるので,自分の信用ではなくブロックチェーンシステム自体の信用によって相手を信用させることができるという,「信用のすり替え」という面です.いわゆる「仮想通貨」が価値を持つのはこの部分にありますし,スマートコントラクトが価値を持つのもこの点においてです.

さて,ここで重要なのは二つ目です.なぜなら,負債は相手の信用を元にリスクを負担して資金を貸す行いだからです.つまり負債の大本には相手の信用が絡んでいます.ブロックチェーンには負債の仕組みを変える可能性があると僕は考えています.

一方で今は本編の12章にもあるように超負債時代にあります.金融経済が肥大化する中でその大きな部分を握る負債は世の中の中心にいます.この現状はデフォルトやリーマンショックのような世の中を不安定化させる不安のタネを常にまくことになります.しかし,負債はうまくいけば世の中の助けとなる可能性もあると考えています.

なぜなら,負債は「お金のシェアリング」という性質も持っているからです.困っているところにお金を融通させて世の中を安定させる力を秘めていると思います.世の中の不安のタネである負債を,世の中を安定化させるツールに変える可能性が信用の新たな仕組みであるブロックチェーンにはある可能性があります.

 

しかし,そのためにはまずは負債とはなんなのかについて知らなければなりません.負債の起源はなんなのか,そもそもなぜ人間は負債を生み出し,これほどまで負債を浸透させてしまったのか,負債はどのように変化し現代に至ったのか.

これらのことを歴史的に丁寧に紐解いていかなければなりません.そうしないと負債という特殊な約束事が持つ本質的な意味合いを見失ってしまうからです.

そしてそれらのことを丁寧かつ網羅的に述べた本が「負債論」なのです.僕はこの本が新しい経済のパラダイムの示唆となるのではないか,と思って読み,いろいろなことを考えました.

感想についてはまた違う記事で述べたいと思います.

 

お読みくださってありがとうございました.